【ネタバレあり】漫画版チェンソーマン 第15話「エンドレス8階」を読んだ感想

チェンソーマン(漫画) 読んだ感想 

こちら記事では【漫画版】チェンソーマンの内容に触れております。まだ、これから本編を読まれる方、結末を知りたくない方は読むことをおすすめいたしません。また、私自身の勝手な解釈も含まれています。

本編を読まれていない方は、ぜひ読んで見てください!!

 デンジたちの前に現れた一匹の悪魔。コベニに飛び掛かるも、すぐに姫野が契約している幽霊の悪魔の力で捕縛、そしてパワーによってあっさりと倒される。

 その後も、継続してホテル内を捜索する一行。捜索中、荒井はある異変に気付く。

 先ほど9階に繋がる階段を上ったはずが、また同じ8階にいることに。7階に降りようとすると、9階に繋がる階段から、同じように他メンバーがいる8階に戻ってしまった。姫野も試すも結果は同じ。

 階段からも、窓からも、天井からも同じ8階から抜け出せなくなり、仕舞いには時間すら止まっていることに気づいてしまう。

 外部からの助けが来ず、このまま永遠に助からないかもしれないと、一同が不安になっている最中、デンジだけは違った。敵地にいるにも関わらず、何も気にする様子もなく、眠りにつくのだった。

 そして、これを見た他メンバーは、呆気にとられるしかなかった。

印象に残ったシーン

エンドレス8(階)

 ホテルの階段を下りても、窓を乗り越えても、天井から抜け出そうとしても、8階から出ることが出来なくなった。

 今まであった銃の悪魔の肉片も反応するのをピタリと止め、それだけではなく、時間すらも止まってしまっていた。外部からの助けは望めないことに一同は気づき、あることが頭によぎる。(助からないかもしれない…)。

 最初は小さな不安でしかなかったが、捜索していく内に、(自分たちは本当に助かるのか…)と、少しずつ精神的に追い込まれ、不安も大きく膨れ上がっていった。

 不安や恐怖を感じることで、この状況を作り出している悪魔自体も、その感情によって強化されていく。悪魔側からしたら、能力に引っ掛かって、勝手に不安がっているメンバーたちはただの養分にしか見えないだろう。

 また、問題は悪魔が強化されていることだけではない。精神的に追い込まれていくことで、平静時より体力の消耗も早まる。そして、肉体的にも精神的にも限界になってくれば、メンバーたちの空気も次第に悪化してきてしまうだろう。

 案の定、不安感が増し、最初に取り乱してしまったのがコベニであった。

 ホテルに突入する時から、常に不安そうにビクビクしている様子であったが、遂に涙がポロポロと出てしまう。それを見て、同期の荒井は励ますも効果はない。

 そして、今まで少しは気にしていた自身の体裁(兄を大学に行かせると荒井らには言っていたそうだが、本当は両親に半ば強引にデビルハンターとして働かされている)のことを顧みることもなく、自身の人生に後悔がある心境を吐露してしまった。

 他のメンバーも不安の色が顔に出始めてきた時、トドメにアキが、8時18分で時計が止まっていることに気づく。

 そこから、時間すら止まっているのではないかと推察し、「もう助けは来ないかもしれません」というアキは発言する。すると、余裕ぶっていたパワーですらも冷や汗をかき、焦りを感じさせる表情をする。他のメンバーも同じように。

 そんな中、「すげぇ!じゃあ寝放題じゃねぇか!!」と言い放つデンジ。それを聞いた他の者は、今の今まで不安感に支配されていた表情から、ポカンとした気の抜けた表情になる。「俺たちはここで永遠に閉じ込められるかもしれないんだぞ…」とツッコむ荒井に対し、「そうなるかもしれねーし ならねかもしれなーんだろ?」「わかったら起こして」とデンジは言い、この状況を作り出してくれた悪魔に対し、感謝をしながら、今まで寝たこともなかったホテルの良いベッドで横になって眠りにつく。

 このデンジの発言は、良い意味でその場の雰囲気を崩し、結果、仲間たちを一時的に冷静にすることが出来た。そのおかげで、泣いてしまい気持ちを持ち直すことが難しくなったコベニすらも、追い込まれていたメンタルを自然に引き戻すきっかけを作った。

 デンジが発言するまでは、本来なら詰んでいる状況ではないかと思った。

 デンジの「寝放題じゃねぇか!!」は、どうにもならない状況なんだから寝て思考をリセットして、また起きてから解決できればすればいい、というとても楽観的なものだと思った。

 当然、根本的な解決に放っていないが、この場では案外いい考えなのかもしれない。起きていれば、いつ出られるかわからない状況で、精神・体力ともに徐々にすり減ってしまう。

 そんな状況で、解決策も当然出るわけもない。限られたリソース内で、節約してやっていかければならない、ということをデンジ自身、幼少期からの過酷な生活の中で、生きるために自然に身に付いたのかもしれない。そのおかげか、敵地であるにも関わらず、すぐに入眠し、仲間たちを驚かした。

 これは、今の自分自身に当てはまることかもしれないと思った。何か不安なことがあった時、すぐ行動に移さないと、その不安が雪だるま式にどんどん大きくなってしまい、自分だけではどうにもできなくなり、精神的に追い込まれてしまうことがある。しかし、このデンジの「寝る」というのも、行動の1つ。起きていて、どうにもならないことも、寝てしまえば、スッキリとした頭で冷静になれる。問題の先送りかもしれないけれど、ぼーっとした状態よりは確実にまともな行動がとれると思う。

自分も追い込まれた時は、実践してみたい(追い込まれるような状態にまで、持ち込みたくはないけど)。

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