【感想・考察】漫画版チェンソーマン第21話「キスのお味」【ネタバレあり】 

チェンソーマン(漫画) 読んだ感想 

こちら記事では【漫画版】チェンソーマンの内容に触れております。まだ、これから本編を読まれる方、結末を知りたくない方は読むことをおすすめいたしません。また、私自身の勝手な解釈も含まれています。

本編を読まれていない方は、ぜひ読んで見てください!!

あらすじ

 姫野からのキスを心待ちにしていたデンジだったが、それをマキマ本人に見られたくないため、分かりやすくうろたえてしまう。

 話をそらそうと、前回回収した「銃の悪魔」の肉片の話題に切り替えようとする。すると、アキもこの話題に乗っかり、最近デンジを狙う銃の悪魔の肉片を取り込んでいる悪魔の出現率が上昇していることを話す。

 そして、このことについて、何か知っているのではないかマキマに問う。それに対しマキマは、飲み比べで自分に勝つことができたら話すことを約束し、それに同意したアキと、ついでに乗っかった姫野の飲み比べが始まる。

 時間は過ぎ、アキと姫野は酔い潰れしまった。一方マキマは平然と次の一杯を注文する。

 酔っぱらった姫野は、デンジの横にきて、長い時間熟成させた約束を果たすのであった。

 マキマに見られながらのファーストキスを体験してしまったデンジは、その感情と気持ちよさの他に、口内に異物をおぼろげながら感知する。

 なんとそれは、姫野のゲロであった。口に入ってしまったゲロを、デンジは栄養になるものを飲み込んでしまう癖を、その場にいた同僚たちに見せてしまった。

 デンジはファーストキスと同時にトラウマを植え付けられ、歓迎会はお開きとなった。そして、デンジは姫野にお持ち帰りされてしまい、貞操の危機を迎える。

印象に残ったシーン 3選

 キスはしたいけど、本命のマキマにはそれを見られたくないデンジ

 姫野から酔った勢いで、約束をしていたキスをされるデンジ。

 しかし、本命であるマキマの視線を確認しながらも、ファーストキスの快楽に身を委ねているように見える。だが、気持ちいい以外の感情のほかに、口内になにやらトロっとした異物感がある。

 それは姫野の舌ではない。なんと先ほどまで飲み比べをして、しこたまビールを飲んでいた姫野の吐しゃ物であった。

 その光景を目の当たりにした同僚たちは、1人は声を上げながら笑い、一人は「トラウマものだな」と、ドン引きするのであった。

 栄養になるものを口に含むと飲み込んでしまう癖があるデンジは、口移しされた姫野のゲロも例外なく飲み込んでしまう

 すると、幼少期ポチタと一緒に残飯を漁る懐かしい光景がフラッシュバックする。その中で、酔っぱらったおっさんが吐いたものに群がるネズミを見て、「ゲロを食べるなんで、同じ哺乳類として情けない」とネズミに向かって言い放った幼少期のデンジ。

 しかし、受動的とは言え、当時のネズミたちと同じ行動をとってしまった。

 憧れだったキスをゲロの味にされてしまい、悪い意味で忘れられない思い出を刻み込まれてしまったデンジ。

私もこのシーンを見た時、「うわぁ…」と声が漏れてしまった。この光景を見ていた登場人物たちと感情がシンクロした。

 ゲロ飲み込んでしまったデンジについて

 また、フラッシュバックの中でゲロを食べているネズミを馬鹿にするシーンがある。

 ここのデンジは、ネズミを同じ哺乳類として、同列と認識していることが面白い。本来ならネズミがゲロに群がってそれを食べていたところで、汚らしいという感情のほかに湧くだろうか。

 ポチタと共に残飯を漁らなければ飢えてしまう状況に置かれていても、当時食べていた残飯とネズミたちが群れを成して食べているゲロを比較し、自分たちの食べている物の方がグレードの高い物と認識していたのかもしれない。

 現に、姫野からゲロを口移しされそれを栄養のあるものとして飲み込んでしまっている。

 また、単行本2巻のおまけ漫画で、果物の皮やアキから剥がれ落ちたカサブタでさえも、栄養があるものと認識し食べようとしていることから、幼少期のデンジもゲロを、グレードがかなり劣るものの栄養のある食べ物として認識していてもおかしくはない()。

 そのため、姫野からのゲロを飲み込むシーンも、作中でのギャグシーンかと思っていた。しかし、幼少期のデンジが過酷な生活を生き抜くために、自然と形成していった価値観と認識が、「栄養価のあるものを飲み込んでしまう」という癖で表現されていたのではないかと思った。

 ゲロキスをされたデンジを介抱してあげる荒井

 姫野に一発かまされた後、居酒屋のトイレで激しく嘔吐するデンジ。

 その際、一緒に慰労会に参加していた同僚の荒井がデンジを介抱していた。

 「吐かせるのうまいだろう?仕事帰りの酔った母さんをよく介抱してたんだ」「お前みたいにデビルハンターの才能はなかったがな……羨ましいよ……」と、便器に顔をうずめる様にして吐いているデンジの背中をさすりながら荒井は言う。

 「こっちゃあよお~…!ファーストキスはゲロの味だぜ……それが羨まし……おええ」と荒井に言い、再び便器と顔を見合わせる。

 その後、一瞬(1コマ)間をあけ、荒井は「くっくっく…」と声を漏らし、優し気な表情でデンジの開放を続けるのであった。ここでの荒井の心境はいったいどういうものだったのか。

 荒井がデンジと初めて作戦を共にしたのが、「永遠の悪魔」の討伐作戦時だと思われる。

 その際、荒井からのデンジの第一印象はチンピラと評価しており、作戦中の粗暴な態度も気にしていた。しかし、永遠の悪魔と対峙しているデンジから、デビルハンターとしての各の違いを見せつけられてしまった。

 だが、便器に向かて姫野から流し込まれたゲロを一所懸命に吐き出し、ファーストキスを気にしているデンジに、年相応の普通の子どものような一面があるのか、と荒井自身安心したのかもしれない。そこから「くっくっく…」という声が漏れだしたのだと思われる。

 また、永遠の悪魔の生贄にしようとしたことを、荒井は他のメンバーたちと違いしっかりと引きずっており、今回のトイレでの介抱もせめてもの罪滅ぼしとして、ファーストキスでショックを受け弱っているデンジに寄り添いたかったのかもしれない。

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