あらすじ
血の魔人のパワーと共に街をパトロールするデンジたち。その際、頭を殴られるなど、理不尽に暴行されるも、“胸を揉む”という新たな目標のため、デンジは怒るのも我慢します。
そして、悪魔から出た血の匂いに気が付いたパワーは、猫まっしぐらにビルから飛び降ります。そのまま、下にいた“ナマコの悪魔”を自身の血液で生成したクソでかハンマーで叩き潰し、ナマコの悪魔はぐちゃぐちゃの肉片へと姿を変えてしまいました。
しかし、その悪魔は民間のデビルハンターが手を付けていたため、二人は横取り行為をマキマから静かに𠮟責されてしまいます。何かしらマキマに恐怖心を抱いており、ビクビクして顔が青ざめているパワー。そして、デンジに指示されてやったことだと虚言癖を発動。罪をなすり付けられ、反論から喧嘩に…。
場面は変わり、自販機コーナーで一服する二人。そこでパワーから、自分が飼っていた猫の“ニャーコ”を悪魔に連れ去られ、その散策中にマキマに捕まったことをデンジに伝えます。
最初は興味なさそうに聞いていましたが、連れ戻したら“胸を揉ませてやる”という条件をぶら下げられ態度は一変。自身の目的を遂行するために、ホイホイとパワーに連れられニャーコを探し始めるのでした。
印象に残ったシーン 3選
切り替え上手なデンジ?
パワーとニャーコを探す条件として「胸を揉ませてやる」と言われたシーンです。
ついさっきまでパワーの勝手な行動により、マキマから連帯責任で叱責され、二人の間に心身ともに距離感ができてしまいました。
しかし、その条件を目の前にぶら下げられたデンジは、一瞬呆然とし、先ほどまで猫に興味も抱かなった意識が一変。パワーとの距離をガンガンに詰め、二人の距離がゼロになるほど近づき、そのままニャーコを一緒に探すことを約束します。
デンジ本人はとても真剣ですが、このシーンを見たとき声を出して笑ってしまいました。
今までのパワーにされていた理不尽な言動に対し憤りなどを感じていたデンジ。
しかし、「胸が揉めるかもしれない」という可能性が出てくると、理不尽な言動に対しての感情とは区別し、迷うことなくすぐに行動します。デンジはハニートラップであることは理解しているかはわかりませんが、目標の達成のためにリスクを取れるのはすごいと思いました。
パワーのついて
人間には悪魔の本能で嫌い、とパワー自身が言っています。猫は、パトロール中に目で追ったり、抱きかかえたりする位に愛情があることが分かります。
実際、作中でも飼い猫のニャーコを探すのに必死な様子でした。
そして、そのような状態なのも、魔人であるため他の生物(人間など)から恐怖心を向けられ、孤独を感じているからではないか。自分を存在や価値観を認めてくれる存在がいないから、初めて懐いてくれたニャーコを殺さず、大切な存在として生かすことができているのではないかと思いました。
飛び散ってしまった悪魔の肉片
マキマに叱責されているデンジとパワーのコマです。路上にこびりついたナマコの悪の血液や肉片を、清掃員たちがモップらしきもので掃除しているシーンがあります。
悪魔の残骸は自然には消滅せず、誰かが処理していることが分かります。また、このまま放置していたら公衆衛生が維持されず、感染症の拡大するなど、悪魔とは別の恐怖が生まれてしまうかもしれませんね。
デビルハンターたちが悪魔を退治する際に出た被害などを処理する人がちゃんといる。主役たちに目が行きますが、その主役たちをサポートする縁の下の力持ちのモブがちゃんと描かれていています。
そして、こうして働く人たちも他の人たちが普通の生活を送るのにとても大切な存在なんだ、と考えさせられた1コマでした。