【ネタバレあり】漫画版チェンソーマン第6話「使役」を読んだ感想

チェンソーマン(漫画) 読んだ感想 

 自由行動を制限されているパワーは外出許可を貰うと、さっそくニャーコを捕らえている悪魔のもとに、デンジと共に向かいます。

 その間、移動中険悪な雰囲気になりつつも、街から離れた見晴らしのいい一軒家に到着します。しかし、猫を人質にされているにも関わらず、パワーも現場まで来ていることに何か引っ掛かるデンジ。

 そして、パワーが言い訳をしようとした瞬間、互いに武器で攻撃しあいます。一瞬、パワーの攻撃が早く、デンジは頭から大量に失血してしまいます。

 デンジが気を失っているうちに家に引きずり込み、中には飼い猫を捕らえている右腕を失った“コウモリの悪魔”がパワーの帰りを待っていました。コウモリの悪魔はパワーによって持ち込まれた食料(デンジ)を巨大な手で鷲づかみ、まるで果物を絞るように握りつぶし、デンジの生き血を味わいます。

 しかし、デンジの血は不味く、その血で完全復活してしまったことに納得できなかったコウモリの悪魔。新たな食料を求め、自ら街の人間を狩りに行きます。

 その際、パワーは重傷を負っているデンジに、よく悪魔の話を信用したな、と言葉を吐き捨てるのでした。

印象に残ったシーン

路面電車での二人の距離感

 二人は路面電車とバスを利用し、ニャーコを捕らえているコウモリの悪魔のいる場所まで向かいます。最初は、二人とも近づいて座っていましたが、場を和ますつもりなのか、デンジは自分もポチタを飼っていたことを話します。死んでしまったけど自分の中で生きていることを話します。

 しかしパワーは、死んでしまったら何も残らない、死んだら“無”、ただの慰めだとバッサリと言い放ち、デンジも呆気に取られてしまいました。

 その後、(ぜってぇ~仲良くなれねぇ)と心の中で思ったデンジは、お互いに顔を合わせないように、二人分の距離を置いて座りなおしています

 4話の時点では、アキに対して「友達になれる悪魔がいるならなりてぇよ」と会話中にいっています。しかし、今回はポチタと過ごした思い出と、自分を犠牲にしてまで生き返らせてくれたポチタを冒涜されたことで、自身の発言を肯定できなかったのだと思います。また、パワー自身もニャーコを人質に取られていて、まだ生きている状態だったから“心の中で生きている”という抽象的な考え方が理解できなかったのではないか、と思いました。そして、空いてしまった席の距離は、分かり合うことができないともった二人の心の距離でもあったかもしれません。

悪魔の産まれ方

 マキマは上司らしき人物たちにデンジ達のことを報告後、アキが運転する車内での会話をするシーンがありました。報告内容に疑問をもったアキは、デンジは面白もないしなぜ期待しているのかマキマに問います。

 するとマキマは脈絡もなく悪魔の産まれ方の話をし始めました。その内容は、“すべての悪魔は名前をもって産まれてくる。また、その名前が恐れられていればいるほど、その名の悪魔は強くなる”、という内容でした。そこでマキマは、デンジが『チェンソーの悪魔』になれることを再び伝えると、加えて「面白いとおもうけど」言います。それに対し、「面白いけど使えない」と先ほどの発言と違うことを言うアキでした。

 チェーンソーは扱いを間違えると、キックバックして体を損傷します。また、ホラー映画などではホッケーマスクを被った男やピエロが人を殺すときに使うイメージがあります。さらに、チェーンソーのエンジンをかける時に出る“ヴヴンッ”という音も、自分の方に近づいてくると緊張感があり、それと同時に体を傷つけたりホラー映画のイメージとリンクして恐怖心が増大するのではないかと思いました。そして、デンジ達は体を損傷したり、致命傷を負ってもエンジンをふかせば復活してきます。対決している相手からすると、何度でも復活して全力で襲ってくる存在は恐怖でしかないでしょう。

子供っぽい?アキの一面

 マキマとアキの車内での会話シーンです。

 以前の民家に出現した魔人の現場での発言で「友達になれる悪魔がいるならなりてぇよ」というデンジの言葉に強く引っ掛かっていて、それを掘り返してします。

 マキマの話は落ち着いた表情で聞いていましたが、いざデンジの発言に言及しようとすると、顔に力が入り少々ムキになったような表情しています。そして、そのような発言をするデンジに対し、「まだガキなんですよ、ガキ」とマキマに言います。ガキを二回言い、アキはデンジの発想がいかに幼稚であるかを強調したいように思えました。

 不愉快な気持ちをもってしまうのも、悪魔の復讐に燃えている自分がいるのに、仲良くなりたいと軽く言ってのけるデンジがいるからではないでしょうか。その結果、自分の意見を言うときに感情が先行してしまい表情が出てしまう。

そんなアキの子どもっぽい一面が見えるシーンも印象的でした。

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