【ネタバレあり】漫画版チェンソーマン第7話 「ニャーコの行方」を読んだ感想

チェンソーマン(漫画) 読んだ感想 

あらすじ

 デンジの血を摂取し、失った右手を新たに生やしたコウモリの悪魔は、次の獲物を探すため町の方に目を向けるのでした。

 食料を選定中、パワーからニャーコを開放するよう要求されます。コウモリの悪魔は開放する条件として、自分が身を隠していた空き家に人間を連れてくるよう、パワーに要求したからです。

 しかし、デンジの血が不味く不愉快な気分になったという理由で、捕らえていたニャーコを丸呑みしました。それにより、ニャーコを飲み込まれた瞬間、パワーはニャーコとの思い出を走馬灯のように思い出します

 そして、もうニャーコをそばに置いて撫でることができない現実。そうしてやっと、ポチタを失ったデンジの気持ちに共感することができたのでした。だが、それも虚しくパワーも丸呑みにされてしまいます。

 コウモリの悪魔は新しい食料を確保するために町の方に飛び立ちました。しかし、脚にしがみ付いていたデンジ。そのままコウモリの脚にかぶりつき盗られた分の血を補給します。

 そして、コウモリも再度握りつぶしましたが、その時は変身する準備が整っていました。変身する直前、デンジもまたニャーコを人質に取られていたパワーの気持ちに寄り添い、共感することができたのです。そのまま、チェーンソーで手を斬り刻み空中へと脱出するのでした。

印象に残ったシーン 2戦

パワーとニャーコの出会い

 ニャーコをコウモリの悪魔に呑み込まれたときのパワーの回想シーンです。最初は食欲を満たすため、やせ細ったニャーコを太らせてから食べようとしていました。

 しかし、ともに時間を過ごすうちにニャーコは寄り添って寝るほど懐き、パワーもまた安らぎを感じるようになってきました。けれども、この時間は長くは続かずニャーコはコウモリの悪魔に人質にされ、取り返すために命令を聞かざるおえない状況になってしまったのです。

 そして、コウモリの悪魔に差し出す人間を探していたところマキマに捕まってしまった、というのが回想からわかることでした。

 ニャーコを飲み込まれたあと、ポチタという大切な存在を失ったデンジの気持ちに共感することができていました。この失って初めて自分の気持ちに気が付いたのというのは、第1話のデンジと一緒ではないかと思いました。

 デンジ自身も「ポチタがいればそれでよかったのに」と、ポチタと一心同体になったときに悔やんでいます。絶対に分かり合えないと思っていた二人が、同じような喪失体験をすることによって気持ちが一緒になった。そして、これが真の意味でバディとなるきっかけになったのではないでしょうか。

デンジの回想

 変身する前、コウモリの悪魔に握りつぶされる場面です。その間デンジは、ポチタと過ごしていた少年時代をフラッシュバックします。

 それは、ポチタが行方不明になり、探しても見つからず不安になってしまった、というものでした。しかし、家に帰るとポチタも家で涙を流しながらデンジが帰ってこないのではないかと不安になっていました。二人は安心し、デンジはポチタを包み込むようにして眠った、という思い出でした。この時、デンジはふと思い返しました。

 「アイツはニャーコを奪われてどんな気持ちで眠っていたんだろう」。パワーも自分と同じように大切な存在を失ってしまう恐怖と不安にさいなまれているのではないかと。

 ポチタをもう二度と撫でられない孤独感をデンジは現在進行形で感じているはずです。そこで、パワーが自分の気持ちに共感してくれたことで、パワー自身も自分と同じなんじゃないかと気持ちを寄せることができたのではないか、と考えました。

 特に、このシーンの表現に感動しました。握りつぶされたデンジは回想後、力が抜けつつもどこかすっきりとした腑に落ちたような顔しています。

 そこで、自分の気持ちに共感してくれた時のパワーの顔を思い出します。ここでは、パワーの背後から光が差し込むような表現がされています。

 また、次のコマではチェーンソーの刃先がデンジの眉間から飛び出し、目の玉も飛び出しそうなほど大きく開いています。ここのパワーに光が差し込むシーンと、チェーンソーが頭を突き破って出てくるシーンは、デンジ自身の偏見という殻を破り、人間的に成長しているシーンなのではないかと思いました。

 パワーの過去も知らず、分かり合えないと思っていたけど、相手の現状をしり共感を示してくれたことで、相手の気持ちを推察するまで精神面で成長しているような描かれ方をしていると思いました。

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