【ネタバレあり】漫画版チェンソーマン第17話「デンジを殺せ」を読んだ感想

チェンソーマン(漫画) 読んだ感想 

 こちら記事では【漫画版】チェンソーマンの内容に触れております。まだ、これから本編を読まれる方、結末を知りたくない方は読むことをおすすめいたしません。また、私自身の勝手な解釈も含まれています。

本編を読まれていない方は、ぜひ読んで見てください!!

あらすじ

 心身ともに極限状態に陥ってしまっているメンバーたち。そこに、潜んでいた悪魔から「デンジを喰わせれば開放する」と提案を受ける。そして、コベニは包丁を手に取り、デンジに向かって突進するも、アキと姫野によって再び気絶させたられる。

 姫野曰く、悪魔にとっての契約は重いもので、どちらかが契約を破った場合、その片方は命を落とすことになる。他メンバーは、デンジを差し出すことに賛成を示すも、アキだけは悪魔側の思惑を察し、契約は拒否することを皆に提案する。

 そんな中、部屋に集めていた食料がなくなっていることに気づく荒井。犯人は、パワーであった。さらに、餓死することを確信した荒井、そして正常な判断が出来なくなったコベニは、パワーを悪魔側のスパイと断定する。しかし、それを庇う荒井すらも襲い掛かる勢いでパニックを起こすコベニ。

その結果、恐怖をエネルギーにさらに大きくなり続ける『永遠の悪魔』。すると、廊下は急に傾き始め、8階の角度が垂直になり、メンバーたちはホテルの1室に追いやられてしまう。そして、再びデンジの命を差し出して生き残るのかの選択を迫られる。

印象に残ったシーン

刀を使おうとするアキを止める姫野の表情の変化、そしてデンジの反応

 他のメンバーが「永遠の悪魔」の契約を受け入れようとしている中、アキは別のことを考えていた。デンジがいなくなることで、悪魔側に何らかの利益があることを察したアキは、奥の手である刀を使用することを姫野に提案する。

 すると、姫野はノータイムでその提案を拒否する。動きを止めている悪魔とにらめっこしていたのを止め、すぐさまアキの隣に行く。その表情も、先ほどとっていたやる気のない表情から一変し、真顔になってアキを見つめている。

 そして、刀を使うくらいなら、デンジに〇んで貰おうと、デンジ本人におねだりのポーズをとりながらお願いする。それを言われたデンジは、眉を寄せ若干困ったような表情をし、「え~」とお願いされている内容からはズレていると感じられる、軽い反応をする。

 刀を使用することで「永遠の悪魔」を討伐することが出来るが、何らかの強烈なデメリットが使用者にかかるため、姫野はアキ自身が刀を使うことを止めたのだと思う。

 姫野の気持ちになったら、私情も含まれていると思うが、ベテランのデビルハンターを失うくらいなら、新人の命を差し出し、体制を整えて再度挑戦しようとするのは分からなくもない?

 なお且つ、作中では、デビルハンターという職業は、殉職率が非常に高いように描かれている。姫野に至っては、アキが6人目のバディであり、姫野の回想シーンを見ると、数年はバディを組んでいることになると思われる。

 そんなバディの入れ替わりが激しい職業であるから、なおのこと、アキに対しの愛着や情というものが深くなってしまうのは背負うがない。

 すなわち、この一瞬にして真顔になってしまうシーンは、(またバディを失ったら…大切なアキを死なせてしまったらどうしよう…)という、姫野自身の不安や恐怖心の現れなのではないか。アキ自身は、自分の命を削るよりも、銃の悪魔への執念の方が圧倒的に強く描かれているため、このどうしようもない状況に置いては、「いざとなったら刀を使う」という、自身の身を削る選択を提案したと思われる。しかし、その提案が姫野の不安感を煽り、結果として真顔にさせてしまったのではないか

 デンジが姫野にアキが〇ぬ位なら〇させれ欲しい、とお願いされた時、微妙な反応をしていたのはなぜだろう。

 このお願いをされるより前のページで、他のメンバーによるデンジを生かすか〇すかの多数決のシーンがある。その際、荒井とパワー、気絶しているがコベニも〇す派であった。パワーが意気揚々と〇す派と宣言した時、デンジは姫野にお願いをさせた時のように「え~」と、パワーに対し(呆れた…)といったような表情を見せる位で、自分の命が掛かっているというのに随分と淡泊な反応を見せている。

 また、デンジ自身は「永遠の悪魔」から追われるシーン以外で、焦ったり、不安に感じているような描写が見られない。ホテルの8階に閉じ込められているこの状況自体に、他のメンバーたち(パワーは除く)は恐怖しているのに、デンジは肉体に直接作用するような攻撃を受けそうになったとき以外は、焦ったような表情が描かれていないと思われる。

 つまり、脱出不可能な状態を恐怖してない=永遠の悪魔に恐怖していなということ。恐怖していない敵からの要求を呑む必要はなく、その様な要求を呑もうとしているメンバーたちを呆れているから、このような淡泊な表情が出てしまったのではないかと思った。

 悪魔のペースで話が進んでいるはずなのに、そのペースに持っていかれないデンジとパワーは、8階においてもかなり異質な存在。そんな別の視点から見ることのできる2人だからこそ、相手側のペース(閉じ込められて衰弱していくしかない)に呑まれず、自分自身のペースで思考・行動できていたのだと思った。

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