こちら記事では【漫画版】チェンソーマンの内容に触れております。まだ、これから本編を読まれる方、結末を知りたくない方は読むことをおすすめいたしません。また、私自身の勝手な解釈も含まれています。
本編を読まれていない方は、ぜひ読んで見てください!!
あらすじ
デンジは「永遠の悪魔」との戦闘を始める。戦闘を始めたばかりにも関わらず、悪魔から攻撃を多くもらってしまうデンジ。パワーの言う通り、悪魔を斬り続けているうちに自身の血が不足してしまい、腕のチェンソーも引っ込んでしまう。しかし、敵の攻撃にもひるまず、すかさず「永遠の悪魔」の肉を嚙みちぎり、血を取り入れて回復する。すると再び腕からチェンソーを生やし、悪魔の肉を切り続ける。
絶望しかけていた状況下で、その光景を目の当たりにした姫野は、この状況を脱せられるとともに、デンジなら「銃の悪魔」を倒せるかもしれないと希望を持つ。
その後も、斬っては肉を喰われ、喰っては回復を繰り返す戦いに高揚感を得ていたデンジ。しかし、斬り続けられる痛みに耐えられなくなった「永遠の悪魔」は自身の心臓をデンジの前に差し出し、“もう楽にして欲しい”と懇願する。水を差されたデンジは、「永遠の悪魔」の心臓をチェンソーでぶった斬りとどめを刺す。
印象に残ったシーン
・頭のねじがぶっ飛んでる
「永遠の悪魔」と戦闘中のデンジ。敵からの攻撃を受けても肉を噛みちぎり、何度でも立ち上がる。そんな光景を目の当たりにした姫野は、師匠とのやり取りを思い出す。
「素直でまっすぐ単純、だから悪魔の奴らもどうすりゃ怖がるかわかっちまう」「だがネジがぶっ飛んでるヤツは何を考えてるかわからない」「悪魔も理解できんモンは恐がるモンだ」と、回想の中で姫野の師匠は発言している。

やられても敵の血肉を体に取り入れ何度でも立ち上がってデンジは、この姫野の師匠の発言の通り、通常の人間からはみ出しており、頭のネジがぶっ飛んでいる。その戦いぶりに味方陣営の姫野も引いており、恐怖心が表情に出ているように見える。
敵がまともであれば何を考えているかある程度想像できてしまうため、それの行動に対応しようと自然に身構えをしてしまう。しかし、それがいかれていればどうだろうか。
型にハマらず、こちらの想像からはみ出した行動をとられてしまうと、虚を突かれたと感じてしまうことだろう。そうすると、気持ちを立て直すのにも時間がかかり、その間に別のアクションを取られてしまえば、こちらの態勢も崩れてしまう。
「永遠の悪魔」の場合、昔のチェンソーマンとの戦闘の経験をもとに、現在のデンジが変身しているチェンソーマンと、昔のチェンソーマンと比較して弱体化していると判断している。
しかし、悪魔である自分の血肉を噛みちぎって体力を回復しているデンジと対峙し、悪魔側が想像していたチェンソーマンから外れた行動をされたため、「あ…あ……!」と冷や汗をかきながら声が漏らしている。
力は昔のチェンソーマンより弱くなってしまったのかもしれないが、デンジ自体の突拍子のなく常識から外れた言動と、何度〇しても復活する粘り強さ、というデンジの強みが悪魔との戦闘においてとても有利に働いたのだろう。
そのお陰で、この8階において圧倒的に優勢だった「永遠の悪魔」も、デンジのネジがぶっ飛んでいる言動に虚を突かれ、そこに追い打ちをかけるようにチェンソーで斬りつけられ、痛みを与え続けられる。

そして、今まで人間に恐怖を与えていた立場から、デンジに痛みと恐怖を与えられる側となり、立場が逆転してしまった。結果として、デンジの思惑通り、痛みに耐えられなくなった「永遠の悪魔」は、これ以上苦痛を感じたくない為に早く〇して欲しいとデンジに懇願するのであった。
・恐怖する姫野と「永遠の悪魔」
力を向けている人間側と、向けられている悪魔側で恐怖の感じ方・見え方が違っているように見えて面白かった。
頭のネジがぶっ飛んでいるデンジに恐怖していたのは「永遠の悪魔」だけでなく、戦いを見ていた姫野もその一人であったと思う。

姫野に関しては、「チェンソーの力があればこの状況を脱せられるだけでなく、銃の悪魔にも対抗できるかもしれない」という、ぶっ飛んでいてまともじゃない者に対して希望を持っており、表情からもそれがにじみ出ているように見える。
それに対し「永遠の悪魔」は、何度倒しても立ち上がってきては自分を〇そうとする、今までの常識が通じないデンジに恐怖を抱いてしまった。
そして、自分が自〇しない限り永遠に苦痛を与えられるという絶望も感じていただろう。最初はデンジの心臓を差し出すよう相手に要求していたのにもかかわらず、最期は痛みに耐えられなくなり弱点である心臓をデンジに差し出し、とどめを刺されてしまった。しかし、自分の心臓を斬られた時の「永遠の悪魔」の表情は、永い苦痛から解放されたからか、涙を流し笑顔になっているように見えた。
・姫野の回想シーン
デンジと「永遠の悪魔」の戦闘中、姫野はそれを見ながら師匠とのやり取りを思い出していた。過去に殉職したバディたちのことを引きずっていた姫野に対し、「頭のネジをはずせ」と指摘する師匠。
そして、アキがいずれ「銃の悪魔」に辿り着くことも言われてしまう。これは、姫野自身避けたくても薄々気づいていた話題であった。「銃の悪魔と戦ったら絶対にアキ君は〇される」と、今のままでは実力不足であり、災害級の悪魔である「銃の悪魔」に挑むこと自体、無謀で自〇行為だという答えが、姫野の胸の内にはすでにあったからだと思う。
・全く目線が合わず、食事をする2人
師匠が去った後、場面は変わり中華料理店でアキと姫野が食事をしているシーンが描かれている。2人で危険な公安の仕事を辞め民間のデビルハンターに就職しようと誘う姫野。

しかし、食事をしながらそれを聞き流し「絶対に民間にはいかない」というアキ。目線はずっと料理に集中しており、姫野の顔を見る様子はなかった。
アキに語り掛ける時には笑顔を作り、目も輝かせている姫野だが、言葉を発していないときは目の輝きは消え、口角も下がり、顔は無気力なものとなっている。
その後、姫野はアキにタバコを一本もらい吸うことにした。タバコに火を点け無気力な表情をアキに向けるも、アキは食事に集中し、2人の目線が合うことはなかった。
この目線が合わないのは気持ちが一方通行で、互いに向き合っていないことが描かれているのだと思う。
ここで姫野の話をする時の態度にも注目したかった。民間に就職しないか、とアキを誘うときの姫野はテーブルに肘をつきながら顎が上に向けて話をしていた。

しかし、誘いを一蹴されタバコに火を点けた時の表情は顎を引きながらアキの顔を見ていた。タバコに火を点ける時は顎を引かないと火を点けにくいのもあるが、同時にアキの顔も見ることができる。

これは、姫野の想いに向き合ってくれないことに対し、姫野が咄嗟に取ることのできた自己防衛と、緊張を和らげるための無意識のジェスチャーだったのかもしれない。